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少しばかりの悔恨を胸に、
今は亡き愛する人に、尽くせぬ思いを伝えたい−。

「祈りのともしび」

 師父が遷化(せんげ)して1年、親不孝な息子はこの夏、初めて師父の夢を見た。足掛け7年に及んだ闘病生活を支えたのは母であり、その母を懸命に助けた弟に比べれば、私などは物の役にも立たなかった。
 だから私にとって今年の『精霊流し会』は、師父はじめ、この1年に亡くなられたすべての方への“懺悔の供養”と心得て、務めさせていただきたい。
 この8月、和歌山市では夏を彩るお祭りとして、「ぶんだら」や「よさこい」が賑やかである。とりわけ今年第3回を迎えた「紀州よさこい祭り」は、“おどるんや”の合言葉で、市民が生み出した踊りの祭典として、しっかりとこの町に定着しつつある。
 そういうお祭りの対極にあって、和歌の浦の海を舞台に私ども妹背山護持顕彰会が主催する『精霊流し会』は、昨年『和歌の浦精霊流し会』と改称して、今年第2回(通算第6回)を8月26日(土)に、和歌山市和歌浦の妹背山から和歌の浦アートキューブ周辺を会場に開催する、一言で言えば、なんともシンプルな催しである。
 しかし、幽玄のともしびの中、万葉の海に静かに流す燈籠は、愛する人への溢れんばかりの思いがこもって美しく、見る人の心にも、祈りと誓いのともしびを灯すのである。切ないけれど、どんなに逝かないでと願ってみても、人は必ず逝ってしまう。そんな悲しいばかりの必然の理不尽を体験すればこそ、私たちは亡き人に、限りある生命を生き抜くことを誓うことが出来るのだろう−。
 師父の死後、看病から解放されたのと引き換えに、今まで忘れていた持病の足の痛みを思い出してしまった母は、けれど親故に我が子の力になりたいと、足の痛みを引きずりながら数件のお店を訪ねては、『精霊流し会』のポスターの掲示を頼んでくれていたことを知った。
 私は、きっと今までもそういう愛に支えられて、多くの人のお力添えを戴いて生きてきたはずである。
 そんな御恩に報いたい。少しばかりの悔恨を胸に、今は亡き愛する人に、尽くせぬ思いを伝えたい。燈籠に祈り載せ,私たちの思いは必ず届くはずだから…。
  平成18年8月20日掲載

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このコラムは松本惠昌会長が和歌山新報『しんぽうサロン』に寄稿しているコラムの原稿の原本です。
著作権は松本惠昌会長にありますが、引用は大歓迎です。メールにてご一報ください。

No.2
 生命の重さ、感じますか。
 <不軽の行い>
No.4
 素直な心、忘れていませんか。
 <素直な心>
No.6
 羽ばたいて、みませんか。
 <十五の春に>
No.8
 ステキな毎日、いきていますか。
 <いかされる生命>
No.10
 『しあわせ』の意味、考えたことはありますか。
 <共感の心>
No.12
 生きている実感ありますか。
 <発展途上の人>
No.14
 心の鏡、みがいていますか。
 <手本の重み>
No.16
 世界を見る眼、育ててますか。
 <蜜柑の木>
No.18
 子どもに感謝してますか。
 <親子の絆>
No.20
 『いのち』の大切さ、教えてますか。
 <「いのち」の重さ>
No.22
 感動の涙、流してますか。
 <うれし泣き>
No.24
 悔いのない毎日を送っていますか。
 <今朝の別れ>
No.26
 胸は愛(かな)しくないですか。
 <愛しき一年>
No.28
 死と向かい合ったことがありますかー。
 <永遠の生命>
No.30
 あなたは「いじめ」をどう思いますかー。
 <生命の息吹>
No.32
 苦しいのは、あなただけですかー。
 <前向きに>
No.34
 生命の尊さ、感じてますかー。
 <無常を生きるー>
No.36
 "親心" がわかりますかー。
 <親心(おやごころ)ー>
No.38
 "泣き虫" ですか、"弱虫" ですか。
 <泣き虫と、弱虫ー>
No.40
 病の人に、「佛」をみたことがありますかー。
 < "祈りの言霊(ことだま)" >
No.42
 大切な人に遺したいもの、ありますかー。
 < "妹背(いもせ)ふたゝび・・・。"
No.44
 私たちの務めは何ですかー。
 < "祈りの御山"~「經王堂」の再建着始~
No.46
 未来へ、愛する人へ、引き継ぐものはありますかー。
 < "未来へ、そして愛する人へー"