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恕(ゆる)すとは、" ○如来の○心―。"
私たちは恕(ゆる)す側と許される側、そのどちらにもなり得る存在の「人」である
ことを、決して忘れてはいけないだろう。

「“恕(ゆる)す”ということ。」

 「たとえ、どのように大きな石の如き重い罪であっても、み佛の功徳の船は決して奈落の底に沈むことなく、罪有る人を優しく包む。たとえ、燃え盛る大火の如き罪であっても、み佛の慈悲の清水は必ずその人の罪を消火し、救いの御手を垂れるのであるー。」
 そう言われたのは、我が宗門の開祖である。(筆者・意訳)
 しかし、この功徳に浴するには、常に自分の姿、自分の行いを省み、間違いを懺悔(さんげ)=反省し、悔い改めることを誓うという、人としての真摯な態度が必要なのだ。
 人は誰でも、国法に触れるとまではゆかないまでも、知らず知らずのうちに多くの過ちを犯している。譬えれば、怒りや傲慢さから発した言動が、気付かぬうちに多くの人の心を傷付けてしまうように、つい見過ごしてしまう小さな過ちは、気付かぬ故に反省には至らない。しかし、塵は山にもなるのである。
逆に、どんなに大きな過ちも、その罪の大きさに気付き懺悔し、人としての正道を歩んでゆけば、必ずその人の罪は浄化され、過ちを犯して苦しむ善良な心は救われる、これもまた事実であろう。
 俗に「佛の顔も三度までー。」と人は言うけれど、私はそんな“短気な佛”はいないと思う。
きっと、み佛は、罪多き私たちのこれからの用(はたらき)を期待して、み佛の子である(と言われる)私たちの過ちを、何度も何度も御恕(おゆる)し下さるはずである。
 だからこそ、私は、たとえ百度(ひゃくたび)裏切られても、百一度(ひゃくひとたび)許しを乞えば、恕(ゆる)す心を培いたい。
これは私の信念である。
恕(ゆる)すとは、“○如来の○心―。”
きっとこれが、み佛に通じる慈悲というものなのだ。
それにしても、人の世は許し難いことばかり。
そして、私たちは恕(ゆる)す側と許される側、そのどちらにもなり得る存在の「人」であることを、決して忘れてはいけないだろう。
この両者の立場を経験して、初めて私たちは、如何に“恕(ゆる)すということ”が大きな慈愛を伴うものなのか、そして、許されるということが、どんなにか有難いことであるのかを知るのである。
  平成21年7月8日 わかやま新報掲載

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このコラムは松本惠昌会長が和歌山新報『しんぽうサロン』に寄稿しているコラムの原稿の原本です。
著作権は松本惠昌会長にありますが、引用は大歓迎です。メールにてご一報ください。

No.2
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 <不軽の行い>
No.4
 素直な心、忘れていませんか。
 <素直な心>
No.6
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 <十五の春に>
No.8
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No.10
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No.12
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No.14
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 <手本の重み>
No.16
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No.18
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No.20
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No.22
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No.26
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No.38
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No.42
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No.44
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No.46
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 < "未来へ、そして愛する人へー"