妹背ふたたびロゴ妹背山護持顕彰会事務局〒640-8137和歌山市吹上1-6-38報恩寺気付「海禪院」TEL&FAX073-422-9480妹背山 海禪院 和歌山市和歌浦中3-4-28
妹背山護持顕彰会とは・・・活動内容リンク心のサロン妹背山徳川期伽藍復興事業和歌の浦みちしるべの会事業ご感想・お問い合わせはこちら

誰一人として、同じ人はいないからこそ、
二人といない自分を愛し、二人といない隣人を、愛したい−。

平等について(一考察)

 前日、県都和歌山に新市長が誕生してふと気が付けば、晩夏。
 そっと耳を澄ませば、秋の虫の音がかすかに聴こえる夕暮れの時を待って、懇意な四組のご家族と共に、ささやかな花火の宴を催した−。
 広げれば小さな露天が開けるぐらいに持ち寄られた花火に、次から次に火をつけて無邪気にはしゃぎ回る子どもたちに、日本的な情緒を期待すべきではなかったが、「危ない!離れて!振り回すな!」 と、注意を促すかつての子どもたちも又、今思えば、きっとこんなふうであったのだろう。
 それにしても年も違えば、性別も性格も違う。身長も、通う学校も、何もかもが違う子どもたちが、こんなにも仲良く、じゃれるが如くにふざけ合いながら、時としてお互いをいたわり合う姿は、花火以上の美しさであった。
 きっとそれは、子どもたち一人一人の個性が、花火という行為の中に見事に融和し、一つになっていたからだろう。
 彼らは本当に無意識の内に、それぞれの個性を活かして花火を共に楽しむ、一つの小さな共同体になって、そこには見事なまでに美しい 『平等の精神』 が、息づいていた−。
 私たちにとって 『平等(びょうどう)』 という言葉の持つ意味は、深く、そして重い。それはきっと、この言葉の対極に歴然として在る 『差別(さべつ)』 という言葉に対する、語意をも超えた認識のせいだ、と私は思う。
 (違い。けじめ。わかち。区別)
 これは傍らに在る、二十五年愛用している小さな辞書の 『差別』 についての記述である。
 では、『平等』 はと繙くと、
(すべて等しいこと。差別しないこと)
となんともコンパクトな辞書らしい軽妙な云い回し。
 私の内に在る 『松本辞典』 の見解は、「平等とは差別あること(違い)を知る(認識する)こと」 そして、「共に総和(調和)を目指すこと」−。
 人間一人ひとりが、自分自身の個性を愛し、それぞれの置かれている立場や環境をよく学び、そしてよく理解し、他の個性を重んじながら、互いに欠けたる部分を補って、一つに纏まっていけたなら、どんなにか素晴らしいことだろう−。
 誰一人として、同じ人はいないからこそ、二人といない自分を愛し、二人といない隣人を、願わくば愛していきたいものである。
 かつての支配者層によって作られた差別なるものへの偏見と、身体的特徴に対する愚弄、そして、他のありとあらゆる考え違いは、ほんの少しの勇気と努力できっと克服できるはずだから−。
 今夏も報恩寺、海禪院、信行寺と、関係する三つのお寺のそれぞれの夏を、なんとか無事に終えることが出来たことに感謝しつつ、今はただ自分で自分をほめる余裕も無いままにサロン原稿の締切日を過ぎて、放心状態で筆を執っている。
 私事ながら、今年の夏はいろいろと本当に長かった、辛かった。(笑)
 線香花火を一本、しみじみとしたい気分である・・・。
  平成14年9月1日掲載

……………………………………………………………………………………………………………………………………

このコラムは松本惠昌会長が和歌山新報『しんぽうサロン』に寄稿しているコラムの原稿の原本です。
著作権は松本惠昌会長にありますが、引用は大歓迎です。メールにてご一報ください。

No.2
 生命の重さ、感じますか。
 <不軽の行い>
No.4
 素直な心、忘れていませんか。
 <素直な心>
No.6
 羽ばたいて、みませんか。
 <十五の春に>
No.8
 ステキな毎日、いきていますか。
 <いかされる生命>
No.10
 『しあわせ』の意味、考えたことはありますか。
 <共感の心>
No.12
 生きている実感ありますか。
 <発展途上の人>
No.14
 心の鏡、みがいていますか。
 <手本の重み>
No.16
 世界を見る眼、育ててますか。
 <蜜柑の木>
No.18
 子どもに感謝してますか。
 <親子の絆>
No.20
 『いのち』の大切さ、教えてますか。
 <「いのち」の重さ>
No.22
 感動の涙、流してますか。
 <うれし泣き>
No.24
 悔いのない毎日を送っていますか。
 <今朝の別れ>
No.26
 胸は愛(かな)しくないですか。
 <愛しき一年>
No.28
 死と向かい合ったことがありますかー。
 <永遠の生命>
No.30
 あなたは「いじめ」をどう思いますかー。
 <生命の息吹>
No.32
 苦しいのは、あなただけですかー。
 <前向きに>
No.34
 生命の尊さ、感じてますかー。
 <無常を生きるー>
No.36
 "親心" がわかりますかー。
 <親心(おやごころ)ー>
No.38
 "泣き虫" ですか、"弱虫" ですか。
 <泣き虫と、弱虫ー>
No.40
 病の人に、「佛」をみたことがありますかー。
 < "祈りの言霊(ことだま)" >
No.42
 大切な人に遺したいもの、ありますかー。
 < "妹背(いもせ)ふたゝび・・・。"
No.44
 私たちの務めは何ですかー。
 < "祈りの御山"~「經王堂」の再建着始~
No.46
 未来へ、愛する人へ、引き継ぐものはありますかー。
 < "未来へ、そして愛する人へー"